辞任届のひな型を紹介|書き方・記載例・提出時の注意点を解説

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辞任届のひな型・記載例

辞任届を作成する際は、決まった文章をそのまま使うのではなく、実際の退任内容に合わせて文面を整えることが大切です。少なくとも、提出先となる会社、辞任する役職、辞任日、本人の氏名などを確認できるようにしておきましょう。

特に代表取締役の場合は、代表者としての立場だけを退くケースと、取締役としての地位も同時に辞めるケースがあります。両者では辞任届の書き方が異なるため、まず自分がどこまで辞任するのかを明確にしておく必要があります。

ここでは、取締役・代表取締役・監査役について、それぞれの状況に応じた辞任届の文例を紹介します。

取締役の辞任届のひな型

取締役としての地位を退く場合は、辞任する意思と退任日が伝わるように作成します。

辞任届

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿

私は、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって

貴社の取締役を辞任いたします。

令和〇年〇月〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

氏名 〇〇〇〇 印

辞任の理由については、個人的な事情を詳しく書かず、「一身上の都合により」とすることもできます。

また、書面を作成した日と辞任する日が異なる場合もあるため、日付を取り違えないよう確認しましょう。

代表取締役の辞任届のひな型

代表取締役が辞任するときは、取締役としての地位を維持するかどうかによって文面を変える必要があります。

まず、代表取締役の職だけを退き、その後も取締役として在任する場合です。

辞任届

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿

私は、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって

貴社の代表取締役を辞任いたします。

なお、取締役としての地位については、引き続き在任いたします。

令和〇年〇月〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

氏名 〇〇〇〇 印

一方、代表取締役だけでなく取締役からも退く場合は、辞任する2つの地位を明記します。

辞任届

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿

私は、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって

貴社の取締役及び代表取締役を辞任いたします。

令和〇年〇月〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

氏名 〇〇〇〇 印

代表取締役の辞任では、「社長を辞める」という表現だけでは、取締役として残るのかどうかが分かりません。会社を完全に退任するのか、役職だけを交代するのかを踏まえて、辞任する範囲を文面に反映させましょう。

監査役などの役員が提出する辞任届のひな型

監査役が辞任する場合も、退任する役職と日付をはっきりさせておくことが基本です。

辞任届

株式会社〇〇

代表取締役 〇〇〇〇 殿

私は、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって

貴社の監査役を辞任いたします。

令和〇年〇月〇日

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号

氏名 〇〇〇〇 印

監査役の辞任によって、会社の役員構成に影響が出る場合があります。法令や定款で必要とされる人数を満たさなくなるケースでは、後任者を選ぶなどの対応が必要になる可能性があるため、辞任届の作成だけで終わらせず、その後の体制も確認しておきましょう。

辞任届とは

役員が会社を離れる際には、「辞任」「退任」「解任」などの言葉が使われます。これらは似ていますが、意味は同じではありません。

辞任届について考えるときは、まず本人の意思によって役職を退くのか、それとも会社側の判断によって地位を失うのかを区別することが重要です。

ここでは、辞任届を使う場面と、よく混同される退職届・解任との違いを整理します。

辞任届を提出するケース

辞任届を提出するのは、役員本人が自分の意思で役職を離れる場合です。

例えば、次のようなケースがあります。

  • 個人的な事情で取締役を辞める
  • 経営から離れるため代表取締役を退く
  • 新しい代表者に交代し、自身は取締役として残る
  • 監査役を任期途中で辞める
  • 事業承継を機に現在の役員が退任する

このように、会社を完全に離れるケースだけでなく、役職の一部だけを変更するケースでも辞任届が必要になることがあります。

なお、会社が株主総会の決議などによって役員を辞めさせる「解任」は、本人の意思による辞任とは別のものです。会社から退任を求められている場合は、辞任届を提出する前に、その扱いを確認しておくことが重要です。

辞任届と退職届の違い

辞任届と退職届の大きな違いは、対象となる会社との関係です。退職届は、一般的に従業員が雇用関係を終了させるために提出します。一方、辞任届は、取締役や監査役などが役員としての地位を退く際に用いられます。そのため、「会社を辞める」という結果だけを見ると似ていますが、役員と従業員では立場や手続きが異なります。

また、役員と従業員を兼務している場合には注意が必要です。役員として辞任しただけで、従業員としての雇用関係まで当然に終了するとは限りません。両方の立場を持っている場合は、それぞれについて退任・退職の扱いを確認しましょう。

辞任届と辞任の違い

「辞任」は、役員本人がその地位を退くことを指します。一方の「辞任届」は、その意思を会社に示すために作成する書面です。つまり、辞任そのものと、それを伝えるための書類は別のものです。

実務上は、誰がいつどの役職を辞めたのかを明確にするため、辞任届を作成して会社に提出する方法がよく用いられます。さらに、役員変更登記が必要となる場合には、辞任した事実を確認する資料として辞任届が使われることもあります。

そのため、辞任届を作成するときは、単に「辞任します」と書くだけではなく、対象となる役職と辞任日が明確になっているかを確認しておくことが大切です。

辞任届の書き方

辞任届を作成するときは、必要な事項を簡潔に記載しながら、辞任する対象や時期が曖昧にならないようにすることが大切です。特に、代表取締役が辞任する場合は、代表取締役のみを辞任するのか、取締役もあわせて辞任するのかによって、その後の手続きが異なります。ここでは、辞任届に記載する項目や具体的な書き方について、分かりやすく解説します。

会社名を記載する

まず、辞任届の提出先となる会社名を記載します。

例えば、「株式会社〇〇 代表取締役〇〇〇〇 殿」などとします。

提出先を明確にしておけば、どの会社に対する辞任の意思表示なのかが分かりやすくなります。会社指定の書式がある場合には、その書式に従うのが基本です。

辞任する役職を記載する

次に、辞任する役職を明記します。

単に「辞任します」と書くのではなく、「貴社の取締役を辞任いたします」「貴社の監査役を辞任いたします」など、具体的な役職を記載しましょう。

特に代表取締役の場合は、「代表取締役だけを辞任する」のか、「取締役も辞任する」のかによって意味が変わります。

辞任日を記載する

辞任届には、辞任の効力が発生する日を明確に記載します。

例えば、「令和〇年〇月〇日をもって辞任いたします。」という形です。「〇月末をもって」など曖昧な表現にするより、具体的な年月日を記載したほうが、会社側の登記や社内処理を進めやすくなります。

なお、登記の期限は辞任届を作成した日や提出日ではなく、原則として変更の原因が発生した日を基準に考えます。株式会社の役員変更登記は、登記すべき事由が発生してから2週間以内が原則です。

辞任理由を記載する

辞任理由について、詳細な事情を記載する必要はありません。一般的には、「一身上の都合により」と記載する方法があります。

個人的な事情や家族事情などを会社に詳しく説明する必要がない場合は、無理に具体的な理由まで書かなくてもよいでしょう。ただし、会社の書式で辞任理由の記載が求められている場合などは、社内ルールを確認してください。

氏名・住所を記載する

辞任する本人の住所と氏名を記載します。氏名は誰が辞任の意思表示をしたのかを明確にするため、正確に記載しましょう。

登記手続きとの関係では、辞任届の内容だけでなく、押印方法などが問題になる場合があります。そのため、登記に使用する予定がある場合には、事前に必要な形式を確認しておくと安心です。

署名・押印について確認する

辞任届の押印については、役員の立場や登記手続きの状況によって扱いが異なります。特に、辞任する代表取締役が登記所に印鑑を提出している場合などには注意が必要です。法務局の案内では、一定の場合、登記所に提出済みの印鑑または市区町村に登録した印鑑による押印が必要とされ、個人の実印を使用する場合には印鑑証明書が必要になるケースがあります。

そのため、「辞任届は必ず認印でよい」「必ず実印が必要」と一律に判断するのではなく、誰が辞任するのか、会社の代表印の届出状況、登記申請の方法などを確認することが重要です。

辞任届を書くときの注意点

辞任届の内容自体は複雑ではありませんが、役職や日付などに誤りがあると、その後の社内手続きや登記に影響する可能性があります。

作成する際は、次の点を確認しておきましょう。

辞任する役職を明確にする

辞任届を作成する際は、退任する役職を具体的に記載します。特に代表取締役については、代表取締役だけを退くケースと、取締役としての地位も失うケースがあります。

例えば、後任の代表者に経営を引き継いだ後も取締役として会社に残るのであれば、その意思が分かる内容にしておく必要があります。

反対に、会社の役員から完全に退く場合は、取締役としても辞任することを記載します。

辞任日を正確に記載する

辞任日は、年月日まで明記しましょう。辞任届を作成した日と実際に辞任する日が異なるケースもあるため、それぞれの日付を確認しておくことが大切です。

また、辞任によって登記内容に変更が生じる場合は、その後の登記申請期限にも関係します。会社側がいつまでに手続きを行う必要があるのかも確認しておきましょう。

代表取締役の辞任範囲に注意する

代表取締役の辞任では、「社長を辞める」という認識だけで辞任届を作成しないよう注意が必要です。

代表取締役の地位を退いて取締役として残るのか、それとも取締役も辞任して会社から退くのかによって、辞任後の役員構成が変わります。

事業承継や代表者交代などでは、前代表者が取締役として残るケースもあるため、辞任する範囲を明確にしたうえで文面を決めましょう。

会社指定の書式がある場合は確認する

辞任届には全国共通の決まったフォーマットがあるわけではありません。そのため、会社指定の書式がなければ一般的なひな型を利用できますが、会社から指定された書式がある場合は、そちらを優先します。

また、登記手続きに利用する予定がある場合は、必要な押印や添付書類についても確認しておくとスムーズです。

作成した辞任届の控えを保管する

辞任届を提出したら、本人の手元にもコピーやPDFなどを残しておきましょう。後になって辞任日や辞任した役職について確認が必要になった場合、提出した辞任届の控えが役立ちます。

可能であれば、辞任届そのものだけでなく、いつ会社に提出したのか、会社が受領したことを確認できる記録も保管しておくと安心です。

辞任届を提出した後に必要な手続き

辞任届を会社に提出して終わり、というわけではありません。辞任によって登記事項に変更が生じた場合には、会社側で役員変更登記を行います。また、後任者の選任が必要になるケースでは、登記以外の社内手続きも進める必要があります。

辞任後にどのような対応が必要になるのか、あらかじめ確認しておきましょう。

役員変更登記が必要になるケース

登記されている役員に変更が生じた場合は、原則として変更登記が必要です。

代表的なケースとして、次のようなものがあります。

  • 取締役が辞任した
  • 代表取締役が辞任した
  • 新しい代表取締役が就任した
  • 監査役が辞任した

ただし、具体的な登記内容は会社の機関設計や辞任する範囲などによって異なります。

例えば、代表取締役が辞任しても取締役として残る場合と、取締役も辞任する場合では、その後の登記内容を区別して考える必要があります。

役員変更登記の期限

株式会社の役員変更登記は、原則として登記すべき事由が発生した日から2週間以内に申請します。辞任によって登記事項に変更が生じた場合も、この期限を意識して手続きを進める必要があります。

申請期限を過ぎた場合でも登記申請そのものができなくなるわけではありません。ただし、正当な理由なく登記を怠った場合には、会社法上、過料の対象となる可能性があります。

辞任日が決まったら、登記が必要かどうかとあわせて申請期限も確認しておきましょう。

辞任届以外に必要になる書類

役員変更登記では、辞任届だけで手続きが完了するとは限りません。変更の内容によっては、次のような書類が必要になることがあります。

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 取締役会議事録
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • その他の添付書面

どの書類が必要になるかは、会社の機関設計や役員の変更内容によって変わります。特に、辞任と同時に新しい役員を選任する場合には、辞任した役員の書類だけでなく、就任する役員に関する書類も準備する必要があります。

辞任届を提出すれば登記簿も自動的に書き換えられるわけではないため、会社側で別途登記申請を行いましょう。

代表取締役が辞任した場合の手続き

代表取締役が辞任する場合は、後任者をどうするのかも確認します。代表取締役だけが交代し、辞任した代表取締役が取締役として残るケースでは、後任の代表取締役を選定したうえで必要な変更登記を行います。

一方、代表取締役が取締役も辞任する場合には、取締役の人数が不足しないかについても確認が必要です。会社の定款や機関設計によって代表取締役の選定方法などが異なるため、単に新しい代表者を決めれば終わるとは限りません。

代表取締役の辞任では、後任者の選定、社内手続き、必要書類の準備、変更登記までをまとめて確認すると、手続きの漏れを防ぎやすくなります。

辞任届に関するよくある質問

辞任届を作成・提出する際には、「決まった書式はあるのか」「手書きで作成する必要があるのか」「印鑑は必要なのか」など、さまざまな疑問が生じることがあります。また、辞任届を提出した後の撤回や、役員変更登記との関係について確認しておきたい方もいるでしょう。ここでは、辞任届に関してよく寄せられる疑問について、分かりやすく解説します。

辞任届に決まった書式はありますか?

法律上、すべての会社に共通する辞任届の様式が定められているわけではありません。

「辞任届」と記載したうえで、会社名、辞任する役職、辞任日、氏名など、辞任の意思を明確にできる内容にするのが一般的です。

ただし、会社指定の書式がある場合は、その書式に従うことをおすすめします。また、役員変更登記に使用する場合は、辞任者の立場や押印方法などによって必要な対応が異なるため、法務局の最新の案内を確認しましょう。

辞任届は手書きで作成する必要がありますか?

必ず全文を手書きで作成しなければならないわけではありません。

パソコンで本文を作成し、氏名などを署名する方法も考えられます。

ただし、登記手続きに使用する辞任届については、押印や電子署名などに関する取り扱いがあります。特に代表取締役の辞任では、一定のケースで印鑑や印鑑証明書が必要になります。会社の内部書類として作成する場合と、登記申請の添付書面として使用する場合を分けて確認するとよいでしょう。

辞任届に辞任理由を書く必要はありますか?

辞任理由を詳しく記載する必要はありません。

一般的には「一身上の都合により」と記載する方法があります。辞任理由を記載しない形式も考えられますが、会社指定の書式がある場合は、そのルールに従いましょう。

辞任届に印鑑は必要ですか?

一律に同じ扱いになるわけではありません。

特に登記手続きに使用する辞任届では、辞任する代表取締役が登記所に印鑑を提出しているかどうかなどによって、必要となる押印や印鑑証明書の扱いが変わります。法務局の案内では、一定のケースについて、登記所に提出している印鑑による押印や、市区町村に登録した印鑑による押印、さらにその印鑑証明書の添付について説明されています。そのため、登記に使用する場合は、作成前に必要な押印方法を確認することが大切です。

辞任届を提出した後に撤回できますか?

辞任届を提出した後に、いつでも自由に撤回できるとは限りません。

辞任の効力がすでに発生しているか、会社側がどのように受け取っているか、辞任の時期や会社の状況などによって判断が変わる可能性があります。

また、辞任後にすでに後任者の選任や登記などが進められている場合には、単純な撤回だけでは解決できないこともあります。撤回を検討している場合は、会社と早急に協議し、必要に応じて弁護士などの専門家へ相談しましょう。

辞任届を提出すれば登記も変更されますか?

いいえ。辞任届を会社へ提出しただけで、登記簿の内容が自動的に変更されるわけではありません。

登記されている役員に変更が生じた場合、会社側で役員変更登記を申請する必要があります。

株式会社の役員変更登記には原則2週間の申請期限があり、期限を過ぎると過料の対象となる可能性もあります。そのため、辞任届を受け取ったら、登記の要否と申請期限を確認し、必要な書類を準備しましょう。

まとめ

辞任届は、取締役や代表取締役、監査役などの役員が、自らの意思で役職を退くことを会社に伝えるための書面です。決まった全国共通の様式はありませんが、会社名、辞任する役職、辞任日、氏名などを正確に記載し、誰がいつどの地位を辞任するのかが分かるようにすることが大切です。

特に代表取締役については、代表取締役の地位だけを辞任するのか、取締役としての地位も退くのかによって、その後の役員構成や登記手続きが変わります。辞任届を作成する前に、辞任する範囲を明確にしておきましょう。

また、辞任によって登記事項に変更が生じた場合には、会社側で役員変更登記を行う必要があります。株式会社の変更登記には原則2週間以内という期限があるため、辞任届の提出だけで手続きを終えず、登記まで忘れずに確認することが重要です。

辞任届を作成する際は、ひな型をそのまま使用するのではなく、自社の役員構成や辞任する範囲に合わせて内容を調整しましょう。代表取締役の交代や役員の欠員、後任者の選任などが関係する場合は、定款や会社の機関設計によって必要な対応が変わることもあるため、判断が難しい場合は専門家への相談も検討してください。

この記事を書いた人

株式会社プロメディアラボにてマーケティング事業に携わり、継続的に成果を生み出すための戦略設計と仕組みづくりに取り組んでいる。

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