商業登記における原本還付とは?
商業登記の申請では、議事録や許認可に関する書類など、さまざまな添付書類を法務局へ提出します。なかには、登記手続きが終わった後も会社で保管しておきたい重要な書類が含まれることがあります。
このような場合に利用できるのが「原本還付」です。原本還付を利用すると、登記申請時に原本を提出しつつ、所定の方法で原本と同じ内容の写しを添付することで、手続き後に原本を返却してもらえます。
ここでは、商業登記における原本還付の基本的な意味や必要性、申請時のポイントについて詳しく解説します。
原本還付の意味
原本還付とは、商業登記の申請に使用した添付書類の原本を、申請後に返却してもらう手続きです。商業登記では、添付書面について原本を提出することが原則とされています。ただし、会社などが今後も保管しておく必要がある書類については、原本とその写しを提出し、所定の方法で還付を請求することで、原本を返却してもらえる場合があります。
たとえば、次のような書類について原本還付を検討することがあります。
- 株主総会議事録
- 取締役会議事録
- 辞任届
- 許認可に関する書類
- その他、会社側で原本を保管しておきたい添付書面
ただし、すべての書類を自由に原本還付できるわけではありません。登記申請の内容によって必要となる書類や、還付の可否が異なるため、個別に確認することが重要です。
なぜ原本還付が必要なのか
原本還付を利用する大きな理由は、会社にとって重要な書類を手元に残しておくためです。たとえば、会社の意思決定を証明する議事録や、事業に必要な許認可関係の書類などは、登記申請が終わった後も会社で保管する必要が生じる場合があります。
原本を法務局に提出したままにせず、適切な手続きを行って返却してもらえば、社内での書類管理や今後の行政手続きにも利用しやすくなります。
原本還付は商業登記の申請と同時に請求する
原本還付を希望する場合は、基本的に登記申請時に原本還付の準備をしておく必要があります。商業登記規則第49条では、申請書に添付した書類について還付を請求できる一方、その書類と相違がない旨を記載した謄本を申請書に添付することが求められています。
そのため、「登記が終わってから原本だけ返してもらおう」と考えるのではなく、申請前に原本還付を希望する書類を選び、原本とコピーを準備しておくことが大切です。
商業登記規則における原本還付のルール
原本還付の基本的な根拠となるのが、商業登記規則第49条です。同条では、登記の申請人が申請書に添付した書類の還付を請求できること、還付を請求する場合には原本と相違がない旨を記載した謄本を添付することなどが定められています。代理人が原本還付を請求する場合には、その権限を証する書面も必要です。
つまり、原本還付は単に「原本を返してください」と伝えるだけの手続きではありません。
原本+原本と同じ内容のコピー+原本証明を適切に準備することが基本となります。
商業登記で原本還付できる書類・できない書類
商業登記では、すべての添付書類を原本還付できるわけではありません。原本還付を希望する場合は、まず対象となる書類かどうかを確認したうえで、原本と写しを適切に準備する必要があります。たとえば、株主総会議事録や取締役会議事録など、会社で保管しておきたい書類は原本還付の対象となる場合があります。一方で、書類の性質や登記手続きによっては、原本を還付できないものもあります。
ここでは、商業登記で原本還付できる代表的な書類と、原本還付できない書類について、それぞれの扱いや注意点をわかりやすく解説します。
原本還付できる主な書類
原本還付の対象としてよく挙げられるのが、会社側で保管しておく必要がある議事録や許可書などです。
法務局も、株主総会議事録、取締役会議事録、辞任届などについて、原本を保管する必要があるものは原本還付を請求できる場合があると案内しています。
具体的な対象書類は登記原因によって異なるため、代表的な例だけを見て判断しないようにしましょう。
「この書類も返却してほしい」と考えた場合は、その書類が今回の登記申請で原本還付の対象になるかを確認してから準備するのが安全です。
原本還付できない書類
原本還付の対象にならない書類もあります。商業登記では、書類の性質や登記手続きとの関係から、原本を提出することが必要となるものがあります。また、法令上の要件によって取り扱いが決まっている書類もあるため、「原本を提出した書類なら何でも返却してもらえる」と考えるのは危険です。
特に、印鑑証明書など証明書類については、申請内容や書類の種類によって扱いが異なることがあります。原本還付を前提に準備する場合は、登記申請の種類と添付書類を確認し、法務局の案内や専門家に確認することをおすすめします。
議事録・許可書などを原本還付する場合
株主総会議事録や取締役会議事録、許可書などを原本還付する場合は、原本だけを提出してはいけません。原本に加えて、そのコピーに「原本に相違ありません。」などの原本証明を付けて提出します。
法務局の案内でも、原本をコピーしたものが複数ページになる場合は、それらをまとめたうえで、原本証明をしたコピーを原本と一緒に提出する方法が示されています。
重要書類は事前に原本還付の可否を確認する
「会社で保管したい」という理由だけで、すべての書類が原本還付できるわけではありません。特に、登記申請に必要な証明書類や、申請のために作成された書類などについては、通常の議事録とは異なる扱いになる場合があります。
原本を一度提出すると、後から必ず取り戻せるとは限りません。そのため、申請前に「原本を提出する書類」「原本還付を請求する書類」「コピーだけを提出する書類」を整理しておくと安心です。
商業登記の原本還付に必要なもの
商業登記で原本還付を利用するには、返却してほしい書類の原本だけを用意すればよいわけではありません。原本を確認してもらうための写しを作成し、原本と相違がないことを証明したうえで、原本と一緒に提出する必要があります。
また、複数ページにわたる書類を原本還付する場合には、コピーのまとめ方などにも注意が必要です。準備に不備があると、原本還付をスムーズに受けられない可能性があります。
ここでは、商業登記の原本還付に必要となるものをはじめ、原本証明の方法や複数ページの書類を扱う際の注意点について詳しく解説します。
原本還付を希望する書類の原本
まず必要なのが、原本還付を希望する書類の原本です。
原本還付だからといって、最初からコピーだけを提出することはできません。法務局では原本を確認する必要があるため、原本とコピーの両方を用意します。法務局も、原本還付を希望する場合は「原本」と「原本証明をした原本のコピー」を提出するよう案内しています。
原本のコピー(謄本)
次に、還付してほしい原本をコピーします。
このコピーは、単なる控えではありません。原本と同一内容であることを証明したうえで、登記申請書に添付する必要があります。複数ページの書類をコピーする場合は、ページの抜けや順番の間違いがないか確認しましょう。
法務局によってはコピー機を設置していない旨が案内されているため、コピーは申請前に準備しておくのが安全です。
「原本に相違ありません」などの原本証明
コピーには、原本と内容が同一であることを示す原本証明を記載します。
一般的には、「原本に相違ありません。」などの文言を記載し、会社名や資格、氏名などを記載します。
法務省は、商業登記規則第49条第2項に基づく謄本について、「原本と相違がない旨」の記載と記名が必要であると案内しています。なお、この原本還付用の謄本については、押印は不要とされています。
原本証明をする人
原本証明を誰が行うかも重要です。
法務局の案内では、本人申請の場合は申請人が、代理人申請の場合は代理人が「原本に相違ありません。」と記載し、記名したものを原本とともに提出する方法が示されています。たとえば、会社が本人申請する場合には代表者が原本証明を行い、司法書士などの代理人が申請する場合には代理人が原本証明を行う形が基本です。
複数ページの書類を原本還付する場合の注意点
原本が複数ページある場合は、コピーも全ページを揃える必要があります。
1ページ目だけをコピーして原本証明を付けるのではなく、原本と同じ内容・ページ構成になるようコピーしましょう。複数枚のコピーを一つの書類として提出する場合は、ページをまとめて綴じるなど、バラバラにならないように整理しておくと安心です。法務局も、コピーが複数枚にわたる場合は、それらを合わせて綴じるよう案内しています。
商業登記で原本還付する方法・手続きの流れ
商業登記で原本還付を利用するには、原本とそのコピーを用意し、コピーに原本証明を記載したうえで、登記申請時に提出します。原本還付をスムーズに進めるためには、申請前に対象となる書類を確認し、必要な準備を済ませておくことが大切です。
ここでは、原本還付の具体的な方法を5つのSTEPに分けて解説します。
STEP1:原本還付したい書類を確認する
まずは、今回の登記申請で法務局へ提出する書類を確認し、原本還付を希望する書類を整理しましょう。登記申請では複数の添付書類を提出することがありますが、すべての書類を原本還付できるわけではありません。
そのため、各書類について、原本を提出したままにするもの、原本還付を希望するもの、原本還付できるか事前に確認が必要なものを区別しておくことが大切です。
特に、株主総会議事録や許認可に関する書類など、登記完了後も会社で保管しておきたい重要な書類がある場合は、原本還付の対象となるかを申請前に確認しておきましょう。あらかじめ対象書類を整理しておけば、その後のコピーや原本証明の準備もスムーズに進められます。
STEP2:原本のコピーを用意する
原本還付を希望する書類をコピーします。コピーは原本と内容が完全に一致している必要があります。
ページの欠落、裏面のコピー漏れ、印影の欠落などがないかも確認してください。
STEP3:コピーに原本証明を記載する
たとえば、次のような形です。
原本に相違ありません。
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
代理人が申請する場合は、申請人本人ではなく代理人が原本証明を行うケースがあります。
また、現在の法務省案内では、商業登記規則第49条第2項の原本還付用謄本について、押印は不要とされています。ただし、「原本と相違がない旨」の記載と記名は必要です。
STEP4:原本とコピーを登記申請書に添付する
原本証明をしたコピーと原本を、登記申請時に一緒に提出します。ここで重要なのが、原本を忘れてコピーだけを提出しないことです。法務局では原本の確認が必要になるため、原本還付を希望する場合も原本を持参または送付する必要があります。
代理人によって原本還付を請求する場合には、原本還付についての権限を確認できる書面が必要となる場合があります。商業登記規則第49条第4項にも、代理人による原本還付請求について定めがあります。
STEP5:登記完了後に原本の還付を受ける
提出した原本は、法務局での確認・登記手続きが終わった後に返却されます。
窓口で申請する場合と郵送で申請する場合では、受け取り方が異なることがあります。郵送で原本の返却を希望する場合は、返信用封筒や郵便料金相当の切手をあらかじめ提出する方法が法務省・法務局から案内されています。
原本還付のための「原本証明」の書き方
原本還付を受けるには、提出するコピーが原本と同じ内容であることを示す「原本証明」が必要です。記載する文言や氏名・資格の書き方など、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
ここでは、原本証明の基本的な書き方から、代理人が申請する場合の記載方法、押印の要否、複数ページの書類を提出する際の注意点まで解説します。
「原本に相違ありません」の記載方法
原本証明では、コピーが原本と同じ内容であることが分かるように記載します。
代表的な書き方は、以下の形式です。
原本に相違ありません。
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
法務局の資料では「これは原本の写しである。」などの表現による記載例も示されています。重要なのは、コピーが原本と相違ないことを明確に示すことです。
会社名・資格・氏名の記載方法
原本証明をする際は、会社名だけでなく、証明する人の資格や氏名も分かるように記載します。
たとえば本人申請なら、以下のようにします。
○○株式会社
代表取締役 ○○○○
また代理人が申請する場合は、以下のような掲載方法があります。
○○株式会社
申請代理人 ○○○○
実際の申請では、申請書の記載内容や代理関係との整合性も確認しておきましょう。
代理人が申請する場合の書き方
司法書士などの代理人が登記申請を行う場合、原本証明についても代理人が行うことがあります。
法務省のQ&Aでも、本人申請の場合は申請人、代理人申請の場合は代理人が「原本に相違ありません。」と記載し、記名したコピーを原本とともに提出するよう案内されています。
また、代理人が原本還付を請求する場合は、その権限を証する書面の確認も必要です。
原本証明への押印は必要?
原本還付用の謄本について、現在の法務省の案内では押印は不要です。ただし、押印が不要だからといって、原本証明そのものが不要になるわけではありません。商業登記規則第49条第2項に基づく原本還付用の謄本には、原本と相違がない旨の記載と記名が必要です。
なお、登記申請書や委任状など、原本還付用謄本とは別の書類には、それぞれ固有の押印ルールがあります。原本還付の押印不要と、登記申請全体の押印不要を混同しないよう注意してください。
複数枚の書類を原本還付する場合のとじ方・契印
複数ページの書類を原本還付する場合は、コピーを一つの書類として整理します。ページが複数枚になる場合には、ホチキスなどでまとめておくと、ページの入れ替わりや紛失を防ぎやすくなります。
また、書類の種類や申請方法によっては、綴じ目への契印などが必要になるケースがあります。法務局が案内している申請書の契印ルールなども確認し、原本還付用コピーの扱いについては管轄法務局の最新の案内に従うと安心です。
商業登記の原本還付でよくある間違い
商業登記の原本還付は、原本とコピーを用意して正しく手続きする必要があります。原本を提出せずコピーだけを送ったり、原本証明を忘れたりすると、スムーズに原本還付を受けられない可能性があります。
ここでは、商業登記の原本還付で起こりやすい間違いと、申請前に確認しておきたいポイントを解説します。
コピーだけを法務局に提出してしまう
最も避けたいのが、原本還付を希望しているのにコピーだけを提出するケースです。原本還付では、原本を法務局が確認できるように、原本と原本証明をしたコピーを提出します。法務局も「コピーのみを送付しない」よう明確に案内しています。
原本証明の記載を忘れる
原本とコピーを用意しただけでは、原本還付の要件を満たしません。コピーには、原本と相違がない旨を記載し、必要な記名を行います。提出前に「原本証明が入っているか」をチェックしましょう。
原本とコピーの内容が一致していない
コピーの一部が欠けていたり、裏面をコピーしていなかったりすると、原本と同一の内容とはいえません。特に次のような部分は確認が必要です。
- 裏面の記載
- 別紙
- 印影
- 日付
- ページ番号
- 添付資料
- 複数ページの抜け
「文字だけコピーできていれば大丈夫」と考えず、原本全体を確認することが重要です。
原本還付できない書類を還付請求してしまう
原本還付は、すべての添付書類に認められるわけではありません。登記の種類によって添付書類は異なり、書類ごとに取り扱いも変わります。
「以前の登記では返却されたから今回も大丈夫」と判断せず、今回の申請内容に合わせて確認しましょう。
法務局でコピーを取ればよいと思っている
原本還付用のコピーは、申請者側で事前に準備するのが基本です。法務局の案内でも、登記所には複写機が設置されていないため、コピーをあらかじめ用意するよう説明されています。
申請当日に「法務局でコピーすればいい」と考えていると、手続きがスムーズに進まない可能性があります。
商業登記の原本還付に関するよくある質問
商業登記の原本還付については、「別途申請が必要なのか」「手数料はかかるのか」「郵送でも利用できるのか」など、手続きに関する疑問を持つ方も少なくありません。
ここでは、商業登記の原本還付に関してよく寄せられる質問を取り上げ、手続きのポイントをわかりやすく解説します。
原本還付を請求するための別の申請書は必要?
通常、登記申請時に原本還付を請求する場合、原本還付のためだけに別途「原本還付請求書」を作成して提出するという扱いではありません。商業登記規則第49条では、申請書に還付を希望する書類と、その書類と相違がない旨を記載した謄本を添付する仕組みが定められています。
ただし、登記申請が却下された場合などには別途の取り扱いがあります。特殊なケースでは、法務局に確認しましょう。
原本還付には手数料がかかる?
原本還付そのものについて、通常の登録免許税とは別に原本還付手数料を納付する仕組みではありません。ただし、郵送で返却してもらう場合には、返信用封筒や郵便料金相当の切手などを準備する必要があります。
原本還付を後から請求できる?
原本還付を希望する場合は、原則として登記申請時に必要な準備をしておくことが重要です。
商業登記規則第49条は、申請書に添付した書類の還付を請求する場合、その書類と相違がない旨を記載した謄本を申請書に添付することを定めています。そのため、「登記が終わった後に原本だけ返してほしい」と考えるのではなく、申請前に原本還付を請求する書類を決めておきましょう。
郵送で商業登記を申請する場合も原本還付できる?
郵送による商業登記申請でも、原本還付を利用できます。
この場合も、原本、原本証明をしたコピーなど必要な書類をまとめて登記所へ送付します。
さらに、原本を郵送で返却してもらいたい場合は、返信用封筒と郵便料金相当の切手を同封する方法が案内されています。返信用封筒には、返送先を分かりやすく記載しておきましょう。
原本還付された書類はいつ返却される?
返却されるタイミングは、申請方法や登記所の処理状況などによって異なります。郵送申請の場合は、登記手続きが完了した後、指定した返送先へ送られる形が一般的です。
「申請したらすぐに原本が返ってくる」とは限らないため、近いうちに別の手続きで原本を使う予定がある場合は、余裕を持って申請しましょう。
原本還付できるか分からない書類はどうすればいい?
原本還付の可否が判断できない場合は、自己判断でコピーだけを提出するのではなく、申請先の法務局に確認するのが安全です。登記の目的や申請内容によって必要書類が変わるため、「この書類は一般的に還付できる」という情報だけで判断すると、必要書類の不足につながる可能性があります。
特に、許認可書類、証明書類、契約書など判断に迷うものは、事前に確認しておきましょう。
商業登記の原本還付を利用するときの注意点
商業登記で原本還付を利用する際は、原本とコピーを正しく準備するだけでなく、原本還付の対象となる書類かどうかを事前に確認することが大切です。準備に不備があると、原本を返却してもらえない可能性があります。
ここでは、商業登記の原本還付を利用する際に確認しておきたいポイントを、申請前の準備から必要書類の確認まで詳しく解説します。
原本とコピーを必ず一緒に提出する
原本還付を利用する場合は、返却を希望する書類の原本と、その原本と同じ内容のコピーを一緒に提出します。コピーには、原本と相違がないことを示す原本証明を記載しておく必要があります。
コピーだけを提出しても、法務局で原本を確認できないため、原本還付の手続きを適切に進められません。提出前に、原本・コピー・原本証明の3点が揃っているか確認しておきましょう。
原本還付したい書類を申請前に整理する
原本還付を希望する書類は、登記申請の準備段階であらかじめ整理しておくことが大切です。申請直前になって対象書類を確認すると、コピーの準備や原本証明を忘れるなどのミスにつながる可能性があります。
そのため、登記申請で提出する書類を事前に確認し、原本を提出する書類と原本還付を希望する書類を区別しておきましょう。特に、株主総会議事録や許認可に関する書類など、会社で保管しておきたい書類については、原本還付の対象となるかを確認したうえで、必要なコピーや原本証明を準備しておくと安心です。
原本還付できない書類を事前に確認する
原本還付の対象かどうかは、書類の名称だけでは判断できない場合があります。同じ「証明書」でも、登記手続きによって必要となる書類や取り扱いが異なることがあります。不明な書類がある場合は、法務局の最新情報を確認することが重要です。
申請内容によって必要書類が異なる点に注意する
商業登記には、役員変更、本店移転、商号変更、目的変更、増資、会社設立など、さまざまな手続きがあります。当然ながら、それぞれ必要となる添付書類も異なります。
したがって、「商業登記の原本還付に必要な書類はこれだけ」と一律に考えることはできません。
原本還付の準備と同時に、そもそも今回の登記申請で何を添付する必要があるのかも確認しておきましょう。
まとめ|商業登記の原本還付は必要な書類を正しく準備することが重要
商業登記の原本還付とは、登記申請の際に提出した添付書類の原本を、手続き後に返却してもらう制度です。会社で保管しておきたい議事録や許認可に関する書類などがある場合に、原本還付を利用することで原本を手元に残しておけます。
原本還付を希望する場合は、返却してほしい書類の原本とコピーを用意し、コピーに原本証明を記載したうえで、登記申請時に提出します。原本とコピーの内容が一致しているか、ページの抜けやコピー漏れがないかも事前に確認しておきましょう。
ただし、すべての添付書類が原本還付できるわけではありません。また、代理人が申請する場合や郵送で原本の返却を希望する場合には、別途確認しておきたいポイントがあります。
原本還付をスムーズに行うためには、申請前に対象となる書類を整理し、必要な準備を済ませておくことが大切です。原本還付の可否や書類の扱いに迷う場合は、申請先の法務局や司法書士などの専門家に確認すると安心です。

